〇原発性副甲状腺機能亢進症(症例281)

原因
 ・副甲状腺過形成
 ・副甲状腺腺腫
  遺伝性
   ・多発性内分泌腫瘍症
   ・副甲状腺機能亢進症顎腫瘍症候群:CDC73遺伝子変異
 ・副甲状腺癌
 ・機能性副甲状腺嚢胞
 ・異所性副甲状腺腫瘍:縦隔など

症状
 ・腎性尿崩症:ADH受容体感受性低下による
 ・脱水
 ・体重減少
 ・悪心、嘔吐
 ・胃十二指腸炎・潰瘍:高ガストリン血症による
 ・骨粗鬆症
 ・嚢胞性線維性骨炎(brown tumor)
 ・心停止

検査所見
 ・FECa (uCa×sCr÷uCr÷sCa×100) 1%以上
  ・スポット尿ではあまり当てにならない
  ・低くても原発性副甲状腺機能亢進症は除外できない(文献)
  ・サイアザイドは1週間以上前に中止する(文献)
 ・25-OHビタミンD低値
 ・1,25-(OH)2ビタミンD高値
 ・低リン血症
 ・ALP高値

画像検査
 ・頸部エコー
  画像所見
   ・均一
   ・低エコー
   ・ドップラーで栄養血管が見える
 ・PET
 ・99mTc-MIBIシンチグラフィ
  所見
   ・偽陰性もある
 ・副甲状腺静脈サンプリング

禁忌
 ・穿刺吸引細胞診:副甲状腺癌を播種させる可能性がある

治療
 脱水に対して
  ・生理食塩水点滴
 高Ca血症に対して
  ・生理食塩水点滴+ループ利尿薬:脱水補正後
  ・エルシトニン:カルシトニン製剤。2-3日でエスケープが起きる。
  ・Ca受容体作動薬
   効果:レグパラ12.5mg ≒ オルケディア1mg
   薬剤
    ・レグパラ(【般】シナカルセト)
     半減期:約24時間
     効果
      ・血中Ca低下
      ・血中P増加
      ・PTH低下作用は弱い
      ・骨密度は増加しない
     適応:手術不能例
     用法:25mg×2回-75mg×4回/day
     副作用
      ・悪心、嘔吐:1-2週間で治まる。ナウゼリン併用で予防できる。
    ・オルケディア
     用法:2mg x 1回/day~6mg x 4回/day
  ・天然型ビタミンD(市販サプリメント)
   効果(文献)
    ・PTH減少
    ・骨密度増加
   用法:600-1000単位
   治療目標:ビタミンD 50-75
  ・腫瘍摘出
   適応:以下のいずれかを満たす
    ・補正Caが正常上限より1mg/dl以上
    ・Ccr 60未満
    ・T score -2.5SD未満
    ・脆弱性椎体骨折歴
    ・50歳未満
   術式
    ・多発性内分泌腫瘍症1型の場合
     ・副甲状腺全摘+前腕自家移植:術後は対側の腕から採血する(同側だとPTHが偽高値を示す可能性がある)(文献)
     ・副甲状腺亜全摘術
     ・胸腺合併切除
   合併症
    ・hungry bone syndrome
     病態:骨形成の増加により、低Ca血症、低Mg血症が持続する。
     治療:カルチコール静注
  ・経皮的エタノール注入療法(PEIT)

症例33